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「もの補助」第15回 歯科(矯正)申請無事採択

1 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」第15回 9月29日採択発表​

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」第15回(9月29日採択発表 HP URLhttps://portal.monodukuri-hojo.jp/saitaku.html)がありました。支援させていただいた保険適用外の医療法人(矯正歯科)が無事採択されました。
デジタル枠の採択率は、<申し込み総数1,211件、採択者数672件:採択率約55%>であった為、それなりに選別された、厳しめの採択状況であったと思われます。

歯科 ものづくり補助金 採択

2 医療法人の中でも例外的に申請対象となる保険適用外歯科

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」では、医療法人は、病院も歯科も基本的には申請対象になりません。そのような中、健康保険を利用しない保険適用外の歯科医院は例外の一つとして、申請対象となります。今回は、マウスピース矯正等を専門に行う、健康保険を利用しない保険適用外の矯正歯科様が支援対象でした。

矯正歯科 ものづくり補助金 採択
矯正歯科 ものづくり補助金 採択

3 今回の整備希望医療機器は3Dプリンターと医療用CT

今回この補助事業で整備を計画した医療設備は、3Dプリンター(歯科用3Dプリンター SprintRay社)と、医療用CT(歯科用デジタルパノラマ・セファロ・CT X線装置)でした。

矯正歯科用 CT

4 申請書作成で最も重要なポイント

申請書作成で大切なところは、設備等導入等する際に、①国が行う補助事業の指針に沿ったものであるか?(公序良俗に沿う。社会的意義が説明できる等)、②生産性向上(今回はデジタルを使った改善が必要)と繋がるか?という理由、根拠をしっかりと示せるかどうかという点だと思っています。
 今回の支援事例でいうと、「マウスピース矯正を行う際に、3Dプリンターと医療用CTの2つがセットで必要な理由」をしっかりと①社会的な必要性を持って、②デジタル技術を用いた生産性向上の根拠を持って、説明しなければいけないのが大変なところでした。

5 改善が必要な課題をQCDで説明する

そのような中、今回その理由、根拠として具体的に挙げたのが、「マウスピース矯正は、国内では生産しているメーカーがほぼなく、海外メーカー1社の独占になっておりメーカー優位になっている」ということです。そして、その為に、現状では海外に発注、生産する必要があり以下のQCDの課題があるということです。

  1. 輸入の為、時間がかかる。タイムロスがある。(Q:Quality
  2. 製造原価の嵩みを抑制することができない。(C:Cost
  3. 海外生産の為、患者様のちょっとした仕様変更依頼に対応ができないD:Delivery
  4. そして、改善策としては、外製生産を内製化することで、同じようにQCDが改善すること、課題解決に繋がるかということを書くようにしました。

そして、改善策としては、外製生産を内製化することで、同じようにQCDが改善すること、課題解決に繋がるかということを書くようにしました。

それも

  1. ビフォー・アフターとしてビジュアル的にわかり易く
  2. デジタル技術導入の効果も含めながら
  3. 数値的(予想)根拠も示しながら、
  4. 説得力がある文章にすることが難しかったです。

6 デジタル枠対応に書く際のポイント

この特別枠<デジタル枠>では、通常枠の1/2の補助が、2/3の補助に変わる要件として、導入する設備が、「どのように生産プロセスに好影響を与えるのか」が問われています。よって、デジタル枠に該当するIT技術の活用によるプロセス改善内容をしっかり書けるか否かが重要です。
今回は、IT技術の中でも、「データの保存形式の統一化とそのことと可能となるデータベース連携」にポイントを絞って書きました。具体的には、いかに診療記録のファイル保存形式の整合性を併せた画像データ形式でないと、データベースの機器間連携が図ることは難しく、治療(生産)プロセスが改善されるこが難しいかということでした。

7 全体として採択が可能となったポイントと思われること

  1. 充分な資料作りの為に時間を惜しまないこと(申請すべき素材が希薄な申請書はまず、説得力ある申請書になりずらいと思います。素材第一です。)
  2. 設備投資の効果がビフォア・アフターで、しかもビジュアル的にわかるような図表を作れること。もしくは、それを示したジャストな図表をネット上で探せること。
  3. 加点できる資料は惜しまず、全て揃えるようにすること
  4. 一気通貫で自分で全て把握して行えるようにすること(人任せにしない方が良い…途中で、意味が通らなくなってしまうことがある。)
  5. 申請書の起承転結をしっかり書く(充分な会社や事業説明、現状の課題の状況、設備導入で解決ができる理由、出来た後にできる新市場への進出など)
  6. どのような状況でも引き受けたら、支援したいと思うこと。「支援したいな」と自分が思うことが一番重要かと思います。今までの申請書支援の経験上、正直言って、中には支援するのに苦慮する申請書もいるかと思います。

8 申請書作成スキルのブラッシュアップは続き、直接受注の重要さ

こような保険適用外の歯科医院様向けの3Dプリンターや医療用大型機器(CTやスキャナ等)の整備も今回で支援3回目となりました歯科医院採択状況(3件採択/3件申請

現状では、個人的な申請書作成能力は向上し続けている(採択率90%以上)と思うので、今後は、自分に直接、仕事を依頼して下さる方を増やす必要があると思っております。その方が適正なフィーの配分状況でもあると思いますし、遣り甲斐も増します。

このようなニーズは全国の矯正歯科医院様にあると思うので、模索を続けて支援ができるように対応していきたいと思っております。

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