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ものづくり補助金

平成29年度補正予算 3件実施 終了

2020/02/07

1 初年度 3件、業種は医療業が2件、製造業が1件

今年、初めてものづくり補助金の申請書作成書きの手伝いを行ないました。しかも3件、業種は医療業が2件製造業が1件です。 終わってみみれば、こんなに大変だとは思わなかったというのが率直な感想です。しかし、良い経験になったことは間違いなく、貴重な経験を積むことができました。 今回の受託元は2つありました。一つは、所属する診断士グループからの紹介があったコンサルタントファーム、一つはインターネット検索で出逢った関西の中小企業診断士からの関東の案件の紹介です。

平成29年度補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」

コンサルタントファームの講師診断士は、1年間で13件中12件(?数は確か…)通したという凄腕診断士で、その方がチュートリアル的にノウハウを教えてもらえたことはとても大きかったです。今までの補助金の申請書書きの定番である一からヒアリングを重ね、事実を積み重ねて記載する形とは全くことなるものでした。こういう書き方もあるのだな…と勉強になりました。 今回は、受託から発送までの一連の実施内容を備忘記録して記録しておきます。参考になれば幸いです。

2 申請案件の受託の難しさ

ものづくり補助金の受注は、金額が大きい(1,000万以上等)こともあり、なかなか実績のある診断士等でないと中小企業から直接受託するのが難しい状況があります。また、「もの補助」実施期間以前より、購入したいものを準備していただき、この時期に標準を合わせて、補助金事業として購入していただく必要があったりします。

当事務所でも、知り合いの中小企業様(医療業、運送業、建築業等)に数件声をかけましたが、いずれも、準備不十分等の理由で見送りとされました。 中小企業の社長さんは、商工会議所や補助金受託を得意とするコンサルタントグループ等に直接か間接かで依頼しているもケースが多いようです。 今回はなんとか、受託を受けることが出来ましたが、来年本事業があった場合には、もう少しスムーズに受託できるよう、人的ネットワークを広げ、固めていきたいと考えております。

3 ヒアリングの大変さ

相手の業種を選ぶことはできないでの、まず受託が決まった段階でその業種・業界のことを調べなければなりません
今回は金属部品加工会社、歯科医院、歯科のMS法人と三社どれも異なり、更に経験のない業種であり、一からのスタートでした。

初めて工場で見るマシニングセンターやNC旋盤等の機械、これらの生産状況から課題を見つけ出し、「この課題対策の為に購入機械が必要だ」と、話をしっかりまとめる必要があります。
また、歯科医院では「インプラント」とはなんぞやと何も知らない中でのスタート、院長との会話で知らない用語が出て来る中、結構大変でした。
さらに、2時間程度のヒアリングや見学で必要事項を質問し、あとは果てしなく、調べていく作業。知らいない専門用語は許されないので、途方もないインターネット検索が続く毎日でした。

4 書類の一貫性、妥当性を持たせるための大変さ

この事業は、税金を使った補助金事業なので、自社の為だけでなく、地域経済への発展や他社のビジネスモデルとなるような革新的なアイデアが必要等、要件が厳しいです。
その為、書類には首尾一貫とした主張が必要であり、改善提案等を診断士の二次試験さながらの事例1~4(組織面、経営面、運営面、財務面)等にわけ、もれなく分析し、良くなる計画書を書かなければなりません。

また、説明には、わかり易い図表の作成が求められており、パワポで写真やイラストを貼り付け、申請書の内容がビジュアル的に伝わるものを作ることも求められます。
言葉でだらだら説明するより、会社の様子や課題や改善提案等をビジュアル的に示せると強いので、この図表づくりも重要です。結構1つのイラストをつくのに何時間もかかったりします。
更に、財務分析として、経常利益1%や付加価値率の3%増加等、5か年計画を作らなければならず、まさに事例Ⅳの大変さ盛りだくさんです。普段、自分の財務管理や計画にも課題がある状況の為、つじつまのあうPLやその根拠となる原価計算づくりは大変でした。
何度も、この数字要件の達成の為、つじつまのあう説得力のある数字を出す為に書き直し、数字の入力をし直しました。

5 定款や財務諸表等の会社重要書類を集める大変さ

役所関係(税務署、法務局等)の公式な書類(納税証明書、確定申告書(第一表)、決算書、登記事項証明書等)を用意するのも大変です。すぐに出せる会社は少なく、やれ、「本面がない、会計事務所かな?」やれ、「どこにあるかわからない」等が頻発し、書類作成と併せて、しっかり用意するのは大変でした。最終的には法務局まで登記事項証明書をとりにいくことになりました。

6 認定支援機関取得の大変さ

自身では支援機関登録はしていないので、知り合いの診断士で結構とっている人もいるし、又は先方の税理士になってもらえれば良いかと思い、少し保留にしておりましたが、これにも時間がかかり大変でした。

依頼できると思っていた支援機関から断られたり、有料だったり、先方の税理士の印鑑をついてもらった後に、タイトルの変更等が必要になり、整合性の関係で使えなくなったり…。これも手間暇がかかり大変です。

7 発送書類印刷等の大変さ

やっと、書類が揃いあとは印刷だけだと思い、一気にプリントアウトしようとすると、こんな時に限ってプリンタートラブルが起こりました。どうやってもプリントアウトできないことわかったので、代替機をなんとか用意してプリントアウトしていきましたが、カラー印刷に時間がかかる代替機だったので、2社分(計12冊)プリントアウトし、ファイリング及びラベル付けするのに4時間以上はかかりました。

この作業にもっともっと慎重になりマシンの用意などを行えていれば良かったかなと、今は思います。

滑り込みセーフでなんとか発送できたから良かったですが、時間に追われるプレッシャーは半端なく、なんとしても今後は時間に余裕を持った対応が必要だと思いました。

 

8 まとめ

診断士として活動していくためには、補助金の書類支援は本当に大きなカテゴリーの中の一つだと思います。

他の大小様々な補助金事業も大きな作業の流れは変わらないものを思われるので、今回の基本的に一人で全部行った業務経験は良い体験となりました。

自分の診断士としての知識やノウハウに蓄積され、次回の補助金事業に生かせると思います。

ご協力いただいた診断士の各先生方、大変ありがとうございました。またお仕事をいただけた、中継機関の診断士の方にも色々と親身になってご指導いただけ感謝しております。

この結果が良いものとなり、クライアント様のほうで、事業が実施できることを祈願しております。 平成29年度補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」合格

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