HOME > 補助金関係 > 補助金関係 ものづくり補助金8次採択&公募要領解説 2022/02/07 2024/04/16 1 ものづくり補助金の現在の着手状況 診断士資格を取得した2017年より現在まで、今まで以下のとおり13件着手し、12件の採択となっております。 ・歯科2件(2件採択) ・製造業8件 (7件採択、1件だけ、どうしても会社の強みが見つからず、駆け出しの頃不採択) ・印刷業1件(1件採択) ・水耕栽培農業法人1件(1件採択) ・自動車整備業1件(1件採択) 結果は、「12/13 ほとんど採択」ということでありますが、合格レベルでもその中でも、余裕で合格なのか?ぎりぎりで合格なのか?ランクがあると思っております。 今回、公募要領に照らし合わせ、自分がどのようなに公募要領の審査項目を理解し、申請書作成支援を行っているか?ということを整理してみました。 このように、審査項目を整理して認識しておけば、どんな業種のご依頼が来ても、審査項目を外すことがなく、記述し易くなるのではないか?と思っております。 公募要領の審査項目は以下のとおりの区分となっております。 2 公募要領「審査項目」 令和元年度補正・令和二年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領〔一般型(新特別枠含む)・グローバル展開型〕(8次締切分) 審査の3面 具体的審査項目 技術面 ①新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか? ②「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った取組みであるか? ③試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか? ④課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか? 事業化面 ①補助事業実施のための社内外の体制(人材、事務処理能力、専門的知見等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか? ②事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か? ③クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか? 政策面 ①地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか? ②ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか? ③異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか? ④異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか? ⑤先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか? 以下、審査項目(技術面、事業化面、政策面)及び(9 応募申請にかかる留意点も含む)に沿って、自分の認識をご説明させていただきたいと思います。 3 技術面(1)新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか? 補助事業が、新製品や新サービスを生み出すような革新的事業となっているかが重要です。 ここで言う革新的とは、市場全体ではなく、自社において革新的であれば良いという理解をしています。 第一の理由は、公募要領には、具体的に「革新的とは何だ」という定義がない為です。 第二の理由は、ネット上にある支援者などの解説もそのようになっているものが多い為です。 また、明確に、新製品、新サービスを生み出せると言えないとしても、「革新的な開発」には、既存技術の転用もカッコ()書きで含むとあります。これは、既存技術の転用による「生産プロセスの改善」も該当すると認識し、記載しております。 そして、生産プロセスの改善が図れれば、概ね、Q(品質向上)、C(経費削減)、D(生産性向上)の改善が図られることが多いです。 さらに、QCDの改善が図れれば、売り上げの拡大が図れ、しいては、新市場進出なども図れる場合も多く、その場合は、それも記載するようにしています。 (2)「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った取組みであるか?指針には具体的項目が記載されているので、それに合致するかを書いています。 (3)試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか? ここでは、「試作品・サービスモデル等の開発における課題」という表現が非常にわかりずらいです。「試作品?」、「サービスモデル?」、「等?」、オレが今回申請するのは、「生産工程改善の為の機械購入なんだけどな・・・ここの文章ではどこにあたるのだ?」と思ってしまいます。 この「試作品・サービスモデル等の開発における課題」という文章は、「①試作品」・「②サービスモデル」、「③等」、の3つの区分を1つにまとめて表現した文章ではないかと私は考えました。理由は、公募要領P.4.事業の目的に、中小企業・小規模事業者等が取り組む「革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるため」の設備投資等を支援する。とあるからです。 ここでは、政府が支援する業態を「①革新的サービス開発、②試作品開発、③生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるため」の設備投資等と、明確に3つ①革新的サービス開発②試作品開発③生産プロセスの改善を行い生産性を向上に区分しています。 よって、審査項目(3)「試作品・サービスモデル 等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか?」という表現についても、この3つ補助金で支援されるパターン(①~③)を一つの文章でまとめ、採点項目として示そうとしているのでわかりずらいものとなっている、考えられます。 ①試作品 …2.試作品開発のこと②サービスモデル…1.革新的サービス開発のこと③等 …3.生産プロセス改善のこと(P.22審査項目①、②、③はP.4「事業の目的」の①、②、③に対応) この3つのパターンにおいて「各々課題が明確になっていますか?」と問われていると捉えられました。そうするとわかりずらいこの文書も辻褄が合うような気がします。 完全に区分しきれない部分もあるようには思いますが、このような捉え方で概ね良いのではないかと考えました。 そうすると、3.生産プロセスの改善を行い生産性を向上させる為の設備投資の場合には、新たに何かを開発することがなければ、開発に触れる必要もないし、試作品開発でもないので、必要となる材料を示す必要もないものと私は考えています。 (4)課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか? ここで言う「課題の解決方法が明確かつ妥当」とは、「機械を買ったから、性能が良いので解決した」では駄目だと言っていると解釈できます。 要は、現状の課題で、Q(品質)C(コスト)D(生産プロセス)を切り口に課題設定をしたなら、その解決策もQ(品質)C(コスト)D(生産プロセス)で答える必要があると考えております。 具体的には、Q(品質)がどうして、どの位(数値で)向上するのか?、C(コスト)の現状の課題(廃棄費用や光熱費や材料費等の浪費等)がどう改善するのか?、D(生産プロセス)では、現状の工程を示すと共に、やり直し工程が減るなど、具体的に示せると良い殿ではないかと考えております。 4 事業化面 (1)補助事業実施のための社内外の体制は? ポイントは(人材、事務処理能力、専門的知見等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか? 金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか? 社内と社外の両方で、事務処理、専門的知識をもった人材がいるか? ということだと思います。 (2)事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か? 「ユーザー」、「マーケット」、「市場規模」の違いは何なのか?わかりずらいです。英語では「Market(マーケット)」を日本語では「市場」と言いますので、「マーケット」、「市場規模」では規模という言葉が入っているかどうかの違いで、明確な区分はできないいような気がします。 致し方ないので、私は、「ユーザー」は具体的に使う人(ユーザー)を指すと捉え、最終顧客を想定して書くようにしております。 「マーケット」はミクロ的な自社の顧客と捉えました、 「市場規模」は世界的なマクロ的な市場ではないかと区分することとしました。 (3)クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか? ここもわかりずらいです。クラウドファンディングを活用しない事業がほとんどだと思うので、ここでは、市場ニーズが実際にあるのかどうかの検証が行われいるかどうかという観点で書くようにするしかないように思っています。 例を挙げれば、「取引先からの要望があった」や、「最終顧客からの問い合わせがあった」、「新製品開発について、取引先に意見を聞いたら、是非作って欲しいと言われた」などの事実があれば、それが市場ニーズの有無の検証ではないかとで考えました。 5 政策面 (1)地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか? (2)ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか? (3)異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか? (4)異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか? (5)先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか? 上記の(1)、(3)、(4)は、似たようなことを重複して言っているような気がしています。 ゴールは「補助事業が自社だけでなく、地域等において生産性向上や、経済的波及効果が図れるか?」という観点で評価したいと言っていると考えられます。 具体的な審査項目としては、「雇用創出」、「共同体(プラットフォーム)の形成」、「地域の特性を生かしているか?」が問われているよう捉えられました。 また、(2)、と(5)も似ていると思いました。 ゴールは「国内のイノベーションを牽引するか?グローバル市場でも優位に立てる可能性があるか?」という観点で評価したいと言っていると捉えられました。 具体的な審査項目としては、「先端的なデジタル技術は使っている?」、「低炭素や環境に配慮している?」、「マーケティング手法が適切?、独自性の高い製品やサービスになっている?」ということが問われているように思いました。 6 8次採択分(製造業)での事例 今回は、都内にある金型製造から、プラスティック成形まで一貫生産で行う中小企業様でした。 金型部品製造において、現在のボールねじ稼働方式では、どうしても生産性に課題があり、QCDの改善が図れないので、右写真のとおり、リニアモーター稼働方式のマシーンを導入していきたいという申請書ご支援でした。 この機械を導入すれば、QCDが改善すると共に、新市場(ロボット部品)参入が可能となるという説明を行いました。 7 まとめと課題 ものづくり補助金の申請にあたっては、各々の企業様の状況に応じて、全く状況が異なる場合が多いので、対応に苦慮することが多いです。 しかし、相当な時間をかけて、一生懸命行えば、相当、良い確率で採択レベルの申請書と導けるのではないか?と考えております。 詳しくはものづくり補助金の専用サイトでも採択実績などを掲載しております。よろしければご覧いただければ幸いです。 https://web-shindanshi.jp/shika-monozukurihojyokin/ -補助金関係 Twitter Facebook LINE