補助金関係

ものづくり補助金における農業事業者の採択事例について

2024/04/26

当記事のポイント 

農業者も公募要領に沿った「IT導入(DX)」で「もの補助」申請を諦める必要はない!?

1 農業関連の過去採択事例

ものづくり補助金公式ホームページの採択結果から、14次、15次の2期分ですが、農業事業にかかる採択結果がどれくらいあるのか調べてみました。
その結果「会社名」や「事業計画名」に「」とつく企業の合計数は以下のとおりとなりました。

農業事業者

・14次採択結果 約59件/2, 470件(全採択者に占める割合約2.4%)

・15次採択結果 約45件/2, 179件(全採択者に占める割合約2.1%)

この数値は必ずしも、農業だけでなく、建設業が農地の圃場整備などに進出する場合や、農業事業者が食品加工や飲食店経営事業に進出する場合等、他の業種も含まれております。

よって、純粋に農業にまつわる設備導入だけの数値でないかもしれませんが、農業事業における採択結果数の目安となるのではないかと思っています。

 この中で言えることは、農業事業者としての採択数はそれほど少ない訳ではなく、今後も、申請の仕方によっては継続した採択が期待できるのではないかということです。

地域別の特色でみると、北海道がダントツで多く、次いで東北地方や九州地方なども散見するような状況となっておりました。

農業者も採択される…

2 農業者としての留意事項

しかしながら、農業者として、このものづくり補助で設備投資を申請する際にネックとなることがあります。

それは、農業者の多くが利用するトラクターは、稲作でも畑作でもなくてはならない主力の農業用機械として大変需要があるものと思われます。

しかし、このトラクターは普通に申請しても通らないのです。その理由は、公募要領の以下の2つの項目に由来しています。

1つ目が「汎用性のあるものは不可」という以下の項目です。

トラクターの後方部にある「アタッチメント」を取り換えれば、当該申請事業ではなく、他の事業でも使えてしまう為、汎用性があると捉えられてしまうようです。

2つ目が、「税法上の車両にあたるものが不可」となっている項目です。

この項目もさらに、追い打ちをかけるようにトラクターを整備するのを難しくしている状況があると思われます。

公道を走れないようにする為には、運輸支局・自動車検査登録事務所運輸局にナンバープレート登録を行わないで使う必要があります。

そうすると自ずと圃場のみを走行可能としてのみ利用する他ないということです。

 

要領にある2つのネックな項目

3 それでもトラクターが全て採択不可ではない

しかしながら、採択結果から「トラクター」で検索してみると、採択件数は多くはないですが、以下のとおり15次で件(1件は建設業)、16次で件程、採択事例がありました。

公道を走らないロボット型のトラクターや、農業用のIOTシステム等が組み込まれたトラクターであれば採択されており、トラクターは絶対に不可ということではないようです。

このことから、上記2つの項目に抵触しないような申請内容であれば、要件不備として、はじかれる可能性は低いのではないかと考えております。

大事なことは「公募要領の要件に合致した内容で申請書を作れるか?」ということではないかと思っております。

採択事例

4 申請のポイント

トラクターで申請する際のポイントとしては、①大型トラクター(大型特殊自動車等)に該当するもので公道を走行できないもの等(課税対象とならない(例:ナンバープレートを装着せず、圃場のみで利用する等…)、また、②自動操縦機能等がついたロボットシステムが搭載される等の設定等が必要と思われます。

このようにトラクターについては、他のネット上にある解説ブログ等では「不可」と書かれている記事も数件ありましたが、必ずしもそうは言い切れず、トライしてみる価値はあるのではないかと思っております。

その理由は、実際のところは補助金事務局しかその答えをもっておらず、その他は推測でしか過ぎないから、事実として、直近でも採択事例があるからです。

 

トラクターで申請する際のポイント

5 まとめ ものづくり補助金で採択されるには…

採択された事例における事業計画名を見ると「スマート農業」というようなテーマが多く、ここが経済産業省管轄での補助事業であることから、何かしらの生産性向上や革新性が求められることが伺えます。

これは、農林水産省管轄の補助事業では必ずしもこれが求められるわけではないのが大きな違いのようです。

農業事業者は、ものづくり補助金の補助対象者として、具体的に名称の記載はありませんが、個人事業主や㈱株式会社形態と捉えられております。

よって、補助対象者として今後も除外対象とはされず、むしろ支援対象として重要な位置づけと認知されていく可能性があるのではないかと期待を込めて思っています。

是非、国を支える大事な農業(第一次産業)事業者が使い易い補助金となって欲しいと願っています。

「こんな設備には補助金が活用できるの?」など、ぜひご相談ください。

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